GainNet清貧911日誌コラムというか戯言
  • お題目
  • 041 中古ポルシェということ
  • 040 ポルシェ最高
  • 039 ポル講座 2nd
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  • 037 遠くて近くは
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  • 027 思うこと
  • 026 真実のポル
  • 025 魅惑の2.7
  • 024 選ばれし者
  • 023 ポルと峠
  • 022 恋と愛
  • 021 いろいろなポルシェ
  • 020 ポルシェからの道
  • 019 不安と苦悩の果てに
  • 018 夏の思ひで
  • 017 新緑のそよ風
  • 016 タイムマシン
  • 015 初夏の海風と
  • 014 湾岸ミッドナイト
  • 013 ポルシェと峠と
  • 012 春風に乗って
  • 011 天使か悪魔か
  • 010 ショップについて
  • 009 社名の由来U
  • 008 コード999デビュー(投稿)
  • 007 コードナンバー999
  • 006 僕の一番長い日
  • 005 僕がポルシェを買った訳
  • 004 文献
  • 003 環境保全とポルシェ
  • 002 車検制度について
  • 001 社名の由来について

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    ‘03/7/27版041 中古ポルシェということ

    ポルシェ911、'65年にVWからヒントを得た356時代より一気に水平対向6気筒エンジンへと進化しその後基本ディテールが変わらないまま’98年まで作りつづけられたその車の歴史は数々の紙面を飾り語りつくされているのでここでは割愛させていただく。  最新が最高といったところで'03−996カレラ4にてウエーバー6連エンジン始動時の微妙なアクセルワークを習うことはできないだろうし、 フロントに加重を乗せてコーナリング時、意図的にアクセルを全閉しテールをスライドさせて遊ぶこともできない、
    長い六角レンチを使って中低速でもっともピックアップがよくなる燃調を探ることもできない。最高って何が最高なんだ?
    貧乏人根性丸出しで中古車も由と考えてみるとこうして長い歴史の中の車を見てくると、目的にあった車を探すこともできる。一つのメーカーのひとつの車種でターボ,4WDといった横方向のバリエーションに年式による差という縦方向のバリエーションさえ選ぶことができる。メーカーとしては改良に改良を重ねてきたのかもしれないが現代において個性ととることもできる。

     その変更履歴をあなたがいろんな本で読んだり実際に見たりして詰め込んだその知識はすばらしい量となり1500円くらいの一冊の本にまとめることができそうな勢いだ、すばらしい。そのときあなたは聖徳太子の透かしが入った旧世紀の紙幣を1000枚ちょっと紙袋に詰め込み、知り合いのつてをたどりドラえもんと一緒にのび太の机の引き出しを借りることができたとしたらその本はすばらしいバイブルとなるだろう。

     で、それに何か意味があるだろうか?
    ’77年式のサーマルリアクタというものの実物を見たことがあるだろうか?丸い円筒状の卒業証書の入れ物みたいな筒がエキパイ直後にぶら下がりエンジン始動直後から真っ赤に光る。シリンダー直下に800度にもなる筒がついていたらエンジンが壊れないはずが無いのでたちまちすべての77年式から外されたらしい。この状態は’76と区別がつかない。’87のミッションもエンジンごと乗せ換えられていたらどうだろう?’92ミラーはもっとも顕著な例でそれ以前のオーナーはこぞってミラーを交換する。少なくともメーカーリコールが次のオーナーにまで届きアップデートされるよい時代になった。ミラー交換もある意味アップデートかもしれない。新車のときの仕様はあくまでも新車のときでありその後アップデートなり改良が加えられている車はある意味年式があがっているともとることができる。本国仕様・US仕様・ディーラー物等によっても違いはかなりある。あまり意味など無いのだ。

     ただしどうしても変更できない項目もいろいろある。’68年までのショートホイールベース、’76からの亜鉛鋼板採用、’85からの鋼板厚1.0ミリ化 964のリヤサスペンション変更。これは基本的なことだからおそらく後から変更することはできないと思う。それ以外は後からいくらでも変更できる。そんなことよりもっと大きな問題は新車登録時から今までどんな健康状態でカルテがあるかどうかだ?ディーラー車(新車登録時から現在まで主治医のところに常時カルテが切れ目無く存在する車)が珍重されるのはそれが目的では無いだろうか?若いころ無茶をして体を壊し、町の名医で大々的なオペを受けた車もある。常時健康に留意し医者要らずだった個体もある。無知が生んだ不注意により長患いの固体もあれば、運悪くひどい医療ミスのまま放置されている患者すら存在する。残念ながらその車の性格上多少なりとも荒く使われる例が多い、そうなるとどうしても人間ドック・不具合箇所の完治は日数項目なのだ。

     いかに古くとも、ボディがみしみし言っていてドアすらまともに閉まらなくてもすばらしいエンジンの車が存在する。中低速が実にスムーズ、一切のぐずりも無い、アクセルON/OFFに対しいやなよじれが伝わってこない、どこから踏んでも即反応し吹け上がってくる。排気音が澄んでいる。そういう車もあれば、全体的に変なのだが実にパワフル、実に豪快にふけてゆく、まさにチューニングエンジンントルクの出方。中低速では床まで踏んでもまったく吹けあがらない軽自動車にも勝てる気がしない3.2カレラとまったく反対の3.0カレラ(おそらく)、極太のロールゲージがドア部に斜めに入りエンジンもフルチューンなのにクラッチが実にスムーズにつながり走りはよろいを着てセルシオに乗っているような超高度にバランスされた3.6ターボフルチューン、そうかと思えばサーキットで酷使されたと思われるゆすってみるだけでグズグズの凍らせたこんにゃくのような、コタツ板の上で転がしたみかんの様な車も存在する。すべてユーザー車検で基本的なメンテすらほとんど受けずブレーキは引き釣りクラッチは磨り減り引っかかり急につながりシフトはどこへ入っているのかまったくわからないくせに砂利入り生コンをスコップでかき回すようなシフトフィーリングの車もある。 中古は程度とは実によく言ったものだ。同じ年式の同じタイプの車なのだが真の極上もあれば下の下のくそもあるということだ。所詮中古車そういうことだ。

     さて、それじゃどんな車を探せばよいのか?4-5年落ち位で走行距離が5万キロ以下でポルシェジャパンのメンテ記録が続いている車。え?そんなの買えない?3.2でエアコンがそこそこ効く車か〜…c(゜^ ゜ ;)ウーン
    本当に距離乗ってない車を見抜ける人はそれを探すのもよい。(メーター巻き戻しが禁止されたのはごく最近)後は、記録簿とまでは行かなくとも履歴がわかっている車で、できればひとしきり手が入っている車がよい。きちんとエンジンをばらし消耗部品を測定交換しきちんと組んだ車は本当にすばらしい、ポルシェはこういう車だったんだ!と実感できる。
    もちろん売るために手を入れた車は高い。交換パーツ代金だけで50万超える場合も多い、一度ばらしたことが原因と思われる不具合もあるかもしれない(特に電気系統)でも一通り手を入れた車は本当によい。
    しかしだ、オーバーホール済みという言葉にはものすごい幅がある単語なのだ、エンジン下ろして親子メタル交換してバルタイ取り直したこ棒であたりまで直し念のためオイルラインは総とっかえした本当のOHも有ればエンジンの調子を一応見て、クラッチワイヤーの調整をしただけでオーバーホールとするショップも山ほどある。
    じゃあどうすればよいのか?あなたが人を見抜けるだけの技量を持つか購入後OHに出しばらしてるとき遊びに行けばよろしい、
    未再生原型車に乗り続けるのもよい、大切に乗り続けるのも手だ、エンジンをOHし、足回りをリフレッシュしがんがん乗る、エンジンを(`^´)ブリブリ回す。これも真のポルシェの使い方かもしれない。この車は40年以上前の356時代から部品が手に入る。当時仕様の部品も手に入るがポルジャパ仕様のアップデートパーツも支給される。やはり車はメンテだ

     中古車は程度である。いくら探しても10年以上前の車で程度極上なんてありえないし本当に乗っていなかったら壊れているはずだ、直せない部分は仕方ないとしてそこそこを探して手を入れつつ乗る。これが中古車の正しい乗り方ではないか?
    少なくとも私はそう考える。

     


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